
子どもの日に食べるのは「柏餅」でしょうか。それとも、「ちまき」でしょうか。子どもの日の行事食の関東・関西の違いや、その理由をご紹介いたします。
皆さまは、子どもの日には「柏餅」を食べますか?それとも、「ちまき」を食べますか?
「柏餅」と「ちまき」はどちらも子どもの日の行事食ですが、関東と関西で違いがあります。
「柏餅」と「ちまき」はそれぞれ関東と関西のどちらの地域で食べられているのか、どうして子どもの日の行事食には関東と関西で違いがあるのか、ちょっと気になりますよね。。
こちらの記事では、「柏餅」と「ちまき」の関東と関西の違いやその理由が知りたい!と思われているかたの以下の疑問にお答えします☟。
どうぞ、子どもの日の行事食「柏餅」「ちまき」について、また、関東と関西の違いを知る際のご参考になさってください(*^^*)。
「柏餅」は関東、「ちまき」は関西

「柏餅」と「ちまき」は、どちらも子どもの日の行事食です。
ですが、関東と関西では子どもの日の行事食に違いがあります☟。
関東地方と北海道・青森県を除く関東地方より東の地域では、子どもの日には「柏餅」を食べます。
そして、近畿地方を含む関西方面では、子どもの日には「ちまき」を食べます。
また、子どもの日の行事食は「柏餅」と「ちまき」以外にもあって、北海道と青森県では「べこ餅」が(形状は違う)、長野県の木曾地域では「朴葉巻き」が、鹿児島県では「あくまき」が食べられています。
「柏餅」と「ちまき」にはそれぞれ由来があり、その地域で定着した風習が、そのまま現在でも根付いています。
「柏餅」が関東で食べられるようになった理由

「柏餅」が食べられるようになったのは、江戸時代。
江戸幕府が、端午の節句を重要な式日と定めた頃からだそうです。
幕府の首都であった江戸(現在の東京都)では、端午の節句に柏餅を食べるという風習が定着し、関東を中心に広まりました。
関東で子どもの日に柏餅が食べられるのは、そのためです。
もともと神事には餅をお供えしていましたが、端午の節句にお供えする餅には「柏の葉」が巻かれています。
それは、柏の葉が秋に枯れても春になって新しい芽が出るまでは落ちないため、「親から子へと代が途切れない=子孫繫栄」を意味する縁起物とされていたからです。
古来より神聖な木とされてきた「柏」には、”食べ物を料理するための道具“食べ物を乗せる器”という意味もあります。
【柏餅ってどういうもの?】
「柏餅」は、上新粉と水を混ぜ合わせて蒸して作った生地であんこを包み、柏の葉で巻いた餅菓子のことを言います。(柏餅のレシピによって作り方は様々です)
柏餅の中に入れるあんこには、粒あんやこしあん、みそあんなどもあるそうです(*^^*)。
餅を包む柏の葉には緑色と茶色の2色があり、お店によっては中身のあんこの種類で使い分けていたりします。
西日本では、柏餅と言えば「柏の葉」ではなく、「サルトリイバラ」の葉が使われているものを指すそうです。
「ちまき」が関東で食べられるようになった理由

「ちまき」は、奈良時代に端午の節句の風習の一つとして中国から日本に伝わったもので、「柏餅」よりも古くから存在します。
端午の節句にちまきを食べるという風習が、当時、都のあった近畿地方を中心に広まりました。
そのため、関西では子どもの日にちまきが食べられるようになったのです。
端午の節句は男の子の行事として知られていますが、もとは「菖蒲」を用いて邪気祓いをする宮中行事で、中国の故事が起源とされています。
紀元前の中国で、「屈原」という優れた楚の政治家が陰謀により失脚し、秦に侵略される自国と自分の不甲斐なさを憂い、川に身投げしたのが5月5日でした。
人々が屈原を惜しんで用意した供物が「ちまき」です。
屈原の亡骸を魚が食べてしまわないようにと、ちまきを川に投げ入れたのでした。
【ちまきってどういうもの?】
「ちまき」は上新粉ともち粉、砂糖で作った生地を笹の葉で細長い円錐形に巻き、イグサで縛って蒸したり茹でたりした甘い餅菓子です。
昔は茅萱(ちがや)の葉で巻いていたために、「ちまき」という名前が付きました。
葉先が剣のように鋭い茅には、厄除けの意味もあるそうです。
ちまきと言いますと、竹の皮で三角形に巻かれたおこわの「中華ちまき」もありますね(*^^*)。
中国の端午の節句で食べられるちまきは、日本の端午の節句(子どもの日)で食べられる甘い餅菓子のちまきではなく、この、もち米で作る中華ちまきです。
関東と関西では五月人形にも違いがある

関東と関西では、柏餅やちまきといった行事食の他に、五月人形や五月人形と一緒に飾るものにも違いがあります☟。
関東の五月人形は兜のみのものが好まれ、関西では鎧と兜がセットになったものが好まれるようです。
また、五月人形と一緒に飾るものも、関東は「かがり火」、関西は「提灯」と違いがあり、関西はさらに「虎の張り子」も五月人形に添えられることが多いようです。
ちなみに、柏餅とちまき(を模した飾り)は、菖蒲酒の瓶子と合わせて三台の三方にそれぞれのせた「三台揃(さんだいぞろい)」と言う五月人形の飾りになっています。
『柏餅?ちまき?関東と関西の違いや由来』まとめ
子どもの日の行事食、「柏餅」と「ちまき」の関東・関西の違いや、その理由をご紹介しました。
江戸幕府が端午の節句を重要な式日と定めた頃から、幕府の首都であった江戸(現在の東京都)では端午の節句に柏餅を食べるという風習が定着し、関東を中心に広まったため、関東ではこどもの日に柏餅が食べられている。
端午の節句にちまきを食べるという風習が奈良時代に中国から日本に伝わり、当時、都のあった近畿地方を中心に広まったため、関西では子どもの日にちまきが食べられている。
子どもの日の行事食「柏餅」「ちまき」について、また、関東と関西の違いを知る際のご参考になりますと嬉しいです(*^^*)。
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最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。