
卒業式・入学式の母親の着物で小紋は着てよいのか?について解説します。また、卒業式や入学式で母親が小紋を着る場合の注意点や、私が実際に子どもの卒園式で着た小紋コーディネートもご紹介させていただきます。

こんにちは。
『ユウミ キモノブログ』管理人の
ユウミと申します。
着物好きの方ならひとつは持っている「小紋」。
フォーマル用の着物がない場合、小紋は子どもの卒業式や入学式で着ることができないのかな…と考えてしまいますよね。
あまり出番のなさそうなフォーマル用の着物をわざわざ用意するのも大変ですから。
ですが、卒業式や入学式でなんとなく小紋を着て、式場内で浮いてしまっては困ります。
また、他の母親は卒業式や入学式に小紋を着ているのか、着るとしたらどういったコーディネートがよいのか、ということも気になりますよね。
そこで、こちらの記事では、お子さまの卒業式や入学式で小紋を着ようか悩まれている方へ、次の項目についてご紹介させていただきます。
お子さまの卒業式や入学式で小紋を着るか着ないかを決めるときに、また、着ることにした場合のコーディネート等のご参考になりましたら嬉しいです。
卒業式・入学式にふさわしい母親の着物とは
卒業式や入学式にふさわしいのは「訪問着」「付け下げ」「白無地」といったセミフォーマルに適用した着物になります。
「訪問着」は上半身と裾に絵羽模様(一枚絵のように繋がった柄)が入っている、華やかな着物です。訪問着・付け下げ・色無地の3つの中では1番格が高くなります。
「付け下げ」は訪問着と似ていますが、柄が繋がっていない分、華やかさは控えめです。
「色無地」は黒以外の1色で染め上げた無地の着物です。柄が入らない分、控えめなコーディネートに仕上がりますし、着用シーンや季節を問わずに着ることができます。
卒業式・入学式の母親の着物で小紋は着てよい?
では、小紋は卒業式や入学式に着ることができるのでしょうか?
着物の「格」として、訪問着・付け下げ・色無地は「略礼装(準礼装)」に位置付けされます。
一方、小紋は「外出着」。ちょっとしたお出かけのときに、お洒落を楽しむために着る着物です。
つまり、小紋は卒業式や入学式にはふさわしくない着物ということです。
ただし、例外がありまして、「江戸小紋」の中には卒業式や入学式に着ることができるものもあります。
こういった江戸小紋は卒業式や入学式に着ることができます。
江戸小紋は、遠目から見て無地に見えるほどの細かくて小さな柄が描かれているのが特徴ですが、一般的に柄が細かいほど格が高くなり、「小紋三役・五役」と呼ばれる行儀・風通し・鮫・大小霰・万筋はフォーマルシーンでも着ることができます。
小紋三役・五役で一つ紋の付いたものは、訪問着や色無地と同格の略礼装になります。
私は呉服屋さんのアドバイスを受け、江戸小紋ではない小紋を子どもの幼稚園の卒園式で着たことがあります。そのときのコーディネートや感想も、どうぞチェックしてみてください☟☟。
卒業式・入学式で小紋を着る母親はいる?
卒業式や入学式に小紋で出席する母親はいるのでしょうか。
私には3人の息子がいますが、これまで出席してきた卒業式(卒園式)や入学式(入園式)で見かけた着物姿のお母さまの中には、小紋(江戸小紋ではない)を着て来られた方もいらっしゃいました。
その方たちが、どのようなコーディネートをされていて、どのように見えたのか(浮いていなかったか)についてご紹介させていただきます。
<小学校の入学式で総柄の小紋>
総柄の小紋に兵児帯というスタイルでした。
総柄の小紋はとてもカジュアルな雰囲気がしましたし、さらに帯もカジュアルな兵児帯であったのは、入学式というフォーマルシーンでは浮いて見えました。
また、他のお母さま方が訪問着といった華やかな着物を着ていらっしゃったので、カジュアルなデザインの小紋はかなり悪目立ちしていました。
<幼稚園の入園式できれい色の小紋>
地色がきれいなパステルグリーンに、同系色の柄が入った小紋を着ていらっしゃいました。
小紋ですが、全体的な色味も控えめな柄付けも、式場内で浮くということはなく素敵に見えました。
ただ、半襟やバッグ、羽織などの着物以外のアイテムがカジュアル用のものでしたので、もともと着物の「格」として卒業式や入学式には適さない小紋を着る場合には、フォーマルシーンにふさわしいコーディネートではないように感じました。
子どもの卒園式に小紋を着て出席したときのこと
実際に、長男の幼稚園の卒園式に小紋を着て出席したときのことをお話しさせていただきます。
当時、フォーマル用の着物はピンク色の色無地ひとつしか持ち合わせていませんでした。
長男の幼稚園の卒園式と小学校の入学式に、そのひとつだけある色無地を着回そうと呉服屋さんに相談したところ、卒園式には小紋を着ることを提案されました。
小紋は、その呉服屋さんで誂えたものです。色柄を考慮して、卒園式に着てもよいと提案していただきました。
アドバイスをいただいて決めたコーディネートをご紹介させていただきます。
・卒園式で着た小紋コーディネート

小紋は濃紺地に小さな飛び柄で、無地の部分がかなり多いデザインです。
柄のひとつひとつは、四角い枠の中に花や木が描かれたものになっています。

フォーマル感を出すために、重ね襟を使いました。
半襟は白一色にはせず、小花が描かれた色が少し入ったものを使いました。

帯は礼装用の袋帯を、帯締めも銀糸の入った礼装用を合わせました。
帯揚げも礼装用を使うべきでしたが、コーディネートに合う色味がありませんでしたので、普段使っているものの中からシンプルなものを選びました。
・卒園式に小紋で出席した感想
長男の幼稚園の卒園式では、着物を着て出席していたのは、袴姿の担任の先生以外は私ひとりでした。
実際に、子どもの卒園式に小紋を着て出席した感想としては、「悪くなかった」という感じです。
自分の服装が式場内で浮いていたとは感じませんでしたし、誰かに指摘されたといったこともありませんでした。
幼稚園の卒園式で小紋を着ることに、特に問題はありませんでした。
卒業式・入学式で小紋を着る場合の注意点
私が自分で子どもの卒園式に小紋で出席してみて、また、他のお母さまで卒業式や入学式に小紋で来られていた方を見て気付いた、卒業式・入学式で小紋を着る場合の注意点は以下のことです。
・小紋の柄付け

小紋(江戸小紋を除きます)の柄の付け方には2タイプあり、全体的に柄の入った「総柄」はカジュアル度が高いもの。
一方、「飛び柄」はかしこまった印象です。
同じ小紋でも、卒業式や入学式に着ていくのであれば、小さな飛び柄で無地の部分が多いものがよいです。
・小紋に合わせる他のアイテムの「格」
卒業式や入学式に小紋を着る場合、着物以外のアイテムは礼装用のもの合わせ、フォーマル感を意識したコーディネートをするとよいです。
ただし、礼装用といいましても、あまり重たいものは小紋とのバランスが悪いように思います。
☟卒業式や入学式の着物に合わせるとよい草履とバッグについては、こちらの記事でご説明しています。
・式の雰囲気と他の母親の着物
私が子どもの卒園式に小紋を着て出席したことに特に問題がなかったのには、いくつかの理由があったように思います。それは…
といったことです。
子どもの年齢が上がるほど厳かな雰囲気は増しますので、よりフォーマル度の高い服装がふさわしくなってくるのではないでしょうか。
「幼稚園の卒園式」であったから、フォーマル用ではない「外出着」として格付けされる小紋でも悪くなかったと感じられたのかもしれません。
また、着物で出席されたお母さまが他にも何名かいらっしゃったとして、皆、訪問着などのしっかりとしたフォーマルコーディネートでしたら、小紋を着ていた私は浮いていたかもしれません。
卒業式や入学式に小紋を着てよいかどうかは、「式の雰囲気」や「他の母親の着物」も重要になるということです。
*レンタルの利用も…
卒業式や入学式で小紋を着ることに少しでも不安があるのでしたら、きっぱりとやめたほうがよいと思います。
今は、フルセットでも1万円以下で気軽に着物をレンタルすることができますし、宅配サービスを利用すればとても便利です。
子どもの卒業式や入学式に着物を着たいけれどフォーマル用の着物をお持ちでない場合には、宅配着物レンタルショップの利用も検討されてはいかがでしょうか。
☟こちらの記事では、楽天でおすすめしたい宅配着物レンタルショップをご紹介していますので、よろしければお読みください。
「卒業式・入学式の母親の着物で小紋はOK?」まとめ
どうぞ、お子さまの卒業式や入学式で小紋を着るか着ないかを決めるときに、また、着ることにした場合のコーディネート等のご参考になさってください。
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最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
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