絹の着物は自宅で洗うことはできるのでしょうか。絹の着物の洗濯方法をご紹介いたします。
こんにちは。
『ユウミ キモノブログ』管理人の
ユウミです。
大切な着物の洗濯でしたら、自宅で洗うことはせずに専門店にお願いすると思います。
でも、リサイクル品の着物だったり、普段使いの着物の場合は、自宅で洗濯できたらな…なんて思いますよね(^^;
絹の着物は自宅で洗うことができるのかや、絹の着物の洗濯方法を知って、着物ライフをもっと楽しみましょう(*^^*)
こちらの記事では、絹の着物は自宅で洗うことはできるのか、洗濯方法も知りたい!と思われているかたの以下の疑問にお答えします☟
どうぞ、絹の着物の洗濯でお悩みの際のご参考になさってください(*^^*)
☟こちらの記事で、帯の洗濯方法についてご紹介をしています。
絹の着物は自宅で洗うことができるの?
私は、絹の着物は自宅で洗濯しても良いと思います。
ただし、絹の着物を自宅で洗濯した場合には、以下のことが起こる可能性があります☟
これらは、一般的に絹は自宅で洗濯できない(してはいけない)と言われる原因です。
絹は摩擦に弱いため、特に水に濡れた状態で擦ると“フィブリル化”が起こり、繊維が毛羽立って白く変色したり、肌触りが悪くなったりします。
また、絹の他、綿や毛などの天然繊維は縮みやすく、特に縦方向には大きく縮みます。
袷仕立ての着物の場合、表地と裏地の縮み具合に違いがあるため、濡れて縮んだ時に引きつったりもします。
さらに、絹も含めた天然繊維は色落ちしやすく、濃い色は薄い色よりも色落ちの度合いが大きくなります。
こういったことが許せるのであれば、絹の着物を自宅で洗濯するのは構わないと思います。
私でしたら、次のような絹の着物は自宅で洗濯するのはやめておきます(^^;
逆に、こういった絹の着物なら、自宅で洗濯しても良いかなと思います☟
とは言え、実際に絹の着物を自宅で洗濯するとどうなるの?が分からないと、心配で着物を洗濯してみようと思えないですよね(^^;
絹の着物の洗濯方法と合わせて、次で詳しくご紹介します☟
絹の着物の洗濯方法
絹の着物の洗濯は、こういったことに注意して行います☟
タンパク質が主成分の絹は(毛も)、弱アルカリ性の洗濯用洗剤を使って洗濯をすると変性してしまう恐れがあるので、中性洗剤を使って洗濯をするのが良いです。
絹はとにかく摩擦に弱いので、洗い・すすぎ・脱水の工程は優しくが基本です。
絹は紫外線によって黄色に変色してしまうので、干すときは陰干しをします。
タンパク質でできている絹は熱にも弱く、高い温度のお湯で洗濯したりアイロンをかけたりすると、熱でタンパク質が変性してかたくなってしまいます。
洗い方は「手荒い」か「洗濯機洗い」
絹の着物を自宅で洗濯する場合、洗い方は「手荒い」か「洗濯機洗い」になります。
絹は摩擦に弱いため、洗濯をする時は優しくが基本ですが、手洗いが良いのか、洗濯機洗いで良いのか、迷いますよね(^^;
そこで今回、一枚の着物を背中心で左右に裂き、片方は「絹用洗剤を使って手洗い」を、もう片方は「おしゃれ着用洗剤のエマールを使って洗濯機洗い」をし、変色・風合いの変化・縮み具合・色落ちについても検証してみます(*^^*)
洗濯をする着物は、単衣仕立ての紬です。
いただき物なのではっきりとは分かりませんが、大島紬などのすべすべした感触の紬ではありません。
繊維を抜き取って燃やしてみて、絹であることを確認しています。
絹の着物の手荒いのやり方
絹用洗剤の「シルクランドリー」を使って、手洗いします。
☟絹専用の洗濯洗剤です。
洗い桶に水もしくはぬるま湯を張り、洗剤を溶かした中に着物を入れ、数回優しく押し洗いします。
汚れがひどい場合は、少しの間浸け置きします。
その後、水が澄むまで優しくすすぎをします。
優しく脱水した後、さらにバスタオル等で包んでから巻き、押さえつけて着物の水分をバスタオルに移します。
着物の裏から低温でアイロンをかけ、その後、完全に乾くまで陰干しします。
*アイロンをかける時、熱によるテカリが気になる場合は当て布をします。
絹の着物の洗濯機洗いのやり方
おしゃれ着用洗剤の「エマール」を使って、洗濯機洗いをします。
やり方は普段のおしゃれ着を洗濯する時と同じで、着物を洗濯ネットに入れ、おしゃれ着コースで洗濯します。
洗濯後、洗濯機から着物を取り出して広げてみると、水に浸かっていない部分が数ヶ所ありました。
洗濯の途中で一度洗濯機の蓋を開け、手で押し込んで、着物がしっかりと水に浸かるようにすると良かったです。
後は手洗いの時と同じで、裏から低温でアイロンをかけ、完全に乾くまで陰干しします。
絹の着物のを自宅で洗濯したらこうなる
絹の着物の洗濯後の、変色・風合いの変化・縮み具合・色落ちを確認してみましょう(*^^*)
絹の着物を手荒いした場合の仕上がり
白く変色したりはしていませんし、風合いの変化も洗濯前と特に変わりはないようです。
洗剤を溶かした水に着物を浸けた時に、水に少し色落ちしていましたが、洗濯後の見た目には分からない程度です。
洗濯後の着物の縮み具合は以下の通りです☟
(単位はcm) | 洗濯前 | 洗濯後 | 差 |
---|---|---|---|
身丈 | 140.5 | 128.3 | -12.3 |
袖丈 | 43.0 | 38.8 | -4.2 |
袖幅 | 32.0 | 32.0 | 0 |
肩幅 | 30.0 | 29.5 | -0.5 |
後ろ幅 | 29.2 | 28.3 | -0.9 |
前幅 | 23.0 | 23.0 | 0 |
おくみ幅 | 15.8 | 15.7 | -0.1 |
絹の着物を洗濯機洗いした場合の仕上がり
こちらも、白く変色したりはせず、風合いや色落ちに変化は見られませんでした。
洗濯後の着物の縮み具合は以下の通りです☟
(単位はcm) | 洗濯前 | 洗濯後 | 差 |
---|---|---|---|
身丈 | 140.5 | 133.0 | -7.5 |
袖丈 | 43.5 | 40.5 | -3.0 |
袖幅 | 32.0 | 32.0 | 0 |
肩幅 | 30.0 | 30.0 | 0 |
後ろ幅 | 28.9 | 29.0 | -0.1 |
前幅 | 23.0 | 23.0 | 0 |
おくみ幅 | 15.4 | 15.3 | -0.1 |
絹の着物を自宅で洗濯するなら、手洗いと洗濯機洗いどっちがいい?
同じ着物を左右に分けて、それぞれ手洗いと洗濯機洗いをしてみましたが、仕上がりは違ってきました。
*今回の場合は…ということでご理解をお願いします(^^;
【洗濯後の縮み具合】
手洗いと洗濯機洗い、洗濯後には着物はどちらも縮みましたが、より縮んでしまったのは「手洗い」の方でした。
身丈は、手洗いの方は-12.3cmだったのに対して洗濯機洗いが-7.5cmで、手洗いの方が多く縮みました。
袖丈は、手洗いの方は-4.2cmだったのに対して洗濯機洗いが-3.0cmで、こちらも手洗いの方が多く縮みました。
【風合いの違い】
少し分かりにくいですが、同じようにアイロンをかけたつもりでも、手洗いの方がシワが多く残っています。
肌触りも、それぞれ洗濯の前後で違いはないかなと思っていましたが、2つを比べてみると手洗いの方が少しごわついているような気がします。
もちろん、洗濯機洗いの方が楽なのも良かったです!
『着物の洗濯ー絹は自宅で洗うことはできる?洗い方をご紹介』まとめ
絹の着物は自宅で洗うことができるのか、絹の着物の洗濯方法をご紹介しました。
絹の着物を自宅で洗濯すると、以下のようなことが起こる可能性がある☟
絹の着物の洗濯は、こういったことに注意して行うと良い☟
(今回の場合)手洗いよりも洗濯機洗いの方が、洗濯後の縮みが少なく、肌触りも良いように感じました。
どうぞ、絹の着物を自宅で洗濯する場合は、万が一失敗しても惜しくない着物で試してください。
絹の着物の洗濯でお悩みの際のご参考になりますと嬉しいです(*^^*)
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最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。