ウールの着物の洗濯とアイロンがけの方法についてご紹介いたします。実際にウールの着物を洗濯してみて、縮み具合も検証しました。
こんにちは。
『ユウミ キモノブログ』管理人の
ユウミと申します。
普段用にと「メルカリ」で購入したウールの着物を、着用前に洗濯することにしました。
ウールの着物は自分で洗濯できるところが良いですよね(*^^*)。
洗濯機を使う事もできますが、後々、絹の着物も自分で洗濯してみようと思っているので、予行演習も兼ねて手洗いすることに。
ウールの着物の縮み具合についても検証しました。
ウール着物の洗濯準備
着物のつくりをチェック
洗濯する着物の素材は「ウール」で、襟は「広襟」です。襟裏と肩あてには綿素材の生地(手ぬぐいのようです)が使われています。
縮み具合を調べるため、袖幅・袖丈・肩幅・背身丈・(片側の)後ろ幅+前幅+衽幅の寸法を測りました。
汚れをチェック
襟裏と肩あての背中心のあたりが少し黄ばんでいます。(承知の上で購入しています)
襟をしつけ糸で縫う
バチ襟の場合は中に入っている衽の縫い代などが動いてしまわないようにしつけ糸等で縫い止めますが、今回は広襟なのでしません。
ウール着物の洗濯に必要なもの
ウール着物の洗濯方法
洗う、すすぐ
たらい(ベビーバスを使います)に水をはり、おしゃれ着洗い用の洗剤を適量入れます。
本だたみした着物をさらに二つ折りにして入れ、全体を押し洗いします。
汚れの気になるところを部分洗いします。固形石鹸を直接つけて...
歯ブラシでこすります。
もう一度全体をしっかり押し洗いしてから、すすぎます。
脱水
まず、手で絞ります。このあと、バスタオルで水分を取ります。
ビニールシートの上に二つ折りにしたバスタオルを広げ、着物を置いて写真のように包みます。
下からバスタオルごと固く巻き込んでいきます。
巻き込んだら両手で上から力を入れてギュッと押し、水分をバスタオルに移します。
干す
物干しスタンドと着物ハンガーを使ってこのように干しました。
ウールの着物のアイロンがけ方法
生乾きのうちにアイロンをかけます。
アイロンの設定温度は低温~中温です。
「当て布」をして、襟は表と裏の両面、袖は後ろ袖と前袖を表側から、そのほかの部分は裏側からアイロンをかけます。
<アイロンをかける順番>
- えりの裏→表
- 下前の衽
- 脇の縫い目
- 下前の前身頃
- 後ろ身頃(右・左)
- 反対側の脇の縫い目
- 上前の衽
- 上前の前身頃
- 両袖の後ろ→前
完全に乾いた後、本だたみします。
このとき、かけ残しがあったところには、たたみながらアイロンをかけます。
これで、ウールの着物の洗濯とアイロンがけが終わりました。
ウール着物の洗濯ー汚れの落ち具合
予想はしていましたが、襟裏と肩あての黄ばみは落ちませんでした。
こちらの着物は、あとで広襟をバチ襟にお直ししていて、肩あてもそのときに取り外しています。
ウール着物の洗濯ー縮み具合
洗濯前と洗濯後で寸法を測り、比べてみました。(単位は㎝です)
洗濯前 | 洗濯後 | 差 | |
---|---|---|---|
袖幅 | 33.2 | 33.3 | +0.1 |
袖丈 | 49.0 | 48.5 | -0.5 |
肩幅 | 32.5 | 32.5 | 無し |
背身丈 | 154.0 | 151.2 | -2.8 |
(片側の) 後ろ幅+前幅+衽幅 | 68.8 | 68.7 | -0.1 |
横方向の寸法はほとんど変わりませんでしたが、縦方向の寸法はいくらか短くなりました。
ウールの着物は縮むということが分かりましたので、洗濯機洗いよりも手洗いをした方が良さそうです。仕立て上がり品を購入するときには身丈が自分の身長に対してギリギリのものは選ばないよう、また、「うそつき袖」を作る場合は一度、ウールの着物を洗濯してから合わせて作ると良いと思います。
おわりに…
ウールの着物の洗濯とアイロンがけの方法についてご紹介しました。
実際にウールの着物を洗濯してみて縮み具合を検証し、縦方向の寸法はいくらか短くなることが分かりました。
着物のように大きな物を洗って干してアイロンをかけて…というのはなかなか大変な作業ですが、コストをかけずに自分でお手入れできるのは、やはり嬉しいものです。
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