お手入れ【帯のシミ抜きと洗濯】

皆さま、こんにちは。ユウミです。毎回、私流の着物ライフを発信しておりますが、今回は…『正絹の半幅帯のシミ抜きと洗濯を自分でしてみる』ということについてお話しさせていただきたいと思います。

メルカリで普段使い用の帯を探していたら、紫色の格子柄が素敵な半幅帯に目が留まりました。お値段がお安いなと思ったら、シミがあるようです。以前より、絹製品のベンジンを使ったシミ抜きと水と洗剤を使った洗濯をしてみたいと思っていましたので、上手くお手入れできたら使うことにして、まずはシミ抜きと洗濯の練習のために購入することにしました。



こちらの帯をお手入れします

メルカリで購入した紬の半幅帯。ベージュ×紫の格子柄で、芯の入らない表地だけのつくりです。素材は正絹です。お値段は送料込みで1,500円でした。

汚れの確認

商品の説明には一ヶ所にシミがあると記載されていましたが、その他に汚れや痛みがないか、確認してみます。

こちらが、説明にあったしシミです。茶色く濃いシミとハンコのような赤いシミが二つ一ヶ所にまとまってあります。こちらは、帯の裏側になります。

他の場所に、薄いですが茶色いシミを見つけました。表側の真ん中あたりです。

シミの他に気になったのが、全体的に付いている黒ずみです。手垢でしょうか…。

黒ずみは、数ヶ所に筋状に付いてもいました。

私はメルカリで購入するだけでなく出品もしますが、出品前のチェックで、薄いシミは見落としたとしても、黒ずみに関しては説明欄にひと言記載するべきだなと思いました。写真で見る限りでは気づきませんでしたが、手に取ってみると明らかに分かる汚れです。以前に別の方から名古屋帯を購入したことがありましたが、その時も思っていたよりも痛みがひどく、こういったところがメルカリでのお買いものの難しい部分だなと改めて思いました。お安くてもとても状態の良いものもあるのですが、ある程度は賭けでしょうか…。

それでは、

  • シミ2ヶ所に関してはベンジンを使ったシミ抜き
  • 黒ずみに関しては水と洗剤を使った洗濯

をしていきたいと思います。

ベンジンを使ったシミ抜き

先ほどのシミ2ヶ所に、以前より試してみたかった「ベンジン」を使ったシミ抜きをやってみることにします。今回、使用したベンジンはドラッグストアで手に入った油性のシミ抜き用です。いつのどんな種類のシミなのかは分かっていませんが、ダメもとでやってみたいと思います。*安田多賀子さん監修の「いちばんやさしい着物のお手入れ・お直しの基本」という本を参考にします。

お手入れの仕方

ベンジンの他に必要なものは手ぬぐいとガーゼです。

汚れの下に手ぬぐいを敷き、ベンジンをガーゼにたっぷりと染み込ませて、帯に付いた汚れを手ぬぐいに移すように上からたたいていきます。

輪ジミを防ぐため、汚れが落ちてきたらベンジンが乾かないうちにその周りもたたきます。

何度も繰り返しやっていると、手ぬぐいに少し汚れが移りました。もう一つの薄いシミの方も、同じ様にやってみました。

結果は…

濃く茶色いシミは少し薄くなりましたが、赤いシミは変わらず…。

こちらの薄いシミの方はまったく落ちませんでした。

心配していた輪ジミですが、シミ自体ほとんど落ちませんでしたので、そちらに関しては問題ありませんでした。

やはり、付いてから時間も経っているでしょうし、どんな種類の汚れなのかわからないシミでしたので、きれいにはなりませんでした。いつか機会がありましたら、付けてしまってすぐのもので試してみたいと思います。

水と洗剤を使った洗濯

通常、絹製品は自宅でお手入れできないものと言われますね。それは、水分を含むことで非常に縮みやすい素材である色落ちしやすい絹特有の風合いが変わってしまうなどの理由からなのですが、実際に水と洗剤を使用しての洗濯をしてみて、≪汚れの落ち具合・縮み具合・色落ち・風合い≫が洗濯の前後でどのように変わるのか検証してみたいと思います。

お手入れの仕方

桶にぬるま湯を張り、帯を浸します。*どちらにしても洗濯をするつもりでいましたので色落ちテストはしませんでしたが、みるみるうちに色落ちしてきました。

おしゃれ着用の洗剤を適量入れ、押し洗いします。濃いシミの部分にも少し付けて、そこだけはつまみ洗いをしてみました。*洗剤はいつも洋装用のおしゃれ着を洗う時に使用している「エマール」を使いました。

5~6回すすぎましたが、いっこうに水が澄んできませんでしたので、色止め剤を使ってみることにします。適量をお湯に溶かし、すすぎ後の帯を時々混ぜながらしばらく浸けます。*今回は絹なので、シャワー程度のぬるま湯に10分間浸けました。


使用した色止め剤は「カラーストップ」です。*絹に使えるとは注意書きされていませんでしたが、使ってみました。

時間を置いた後、数回すすいだところです。気になるほど色落ちしなくなりました。この後、軽く絞り、タオルでくるんで水分を移してから陰干しします。

仕上がりは…

≪汚れの落ち具合と色落ち≫

写真では分かりにくいのですが、色落ちしたため、ベージュ色の部分が薄く紫色に染まりました。そのせいで全体的に付いていた黒ずみが見えづらくなったのかと思ったのですが、筋状に付いていた黒ずみがきれいに消えていたので、黒ずみ汚れに関してはスッキリ落ちたようです。見た目にも、さっぱりときれいになった印象です。

*もとの色味と変わってしまいましたが、デザインとしておかしな感じではありません。

洗剤を付けてつまみ洗いした濃いシミの部分です。シミ抜き、洗濯前の写真と比べるとかなりきれいに汚れが落ちました。

表側の真ん中あたりに付いていた薄いシミです。シミ抜き、洗濯前の写真と比べると、なんとなくシミの輪郭がぼやけて全体的に少し薄くなったような気がします。

≪縮み具合≫

洗濯の前後で幅と長さを採寸してみました。

 洗濯前 洗濯後
16.5㎝16.7㎝
長さ311.0㎝292.0㎝

幅はほぼ変わりませんでしたが、長さが19㎝も縮んでしまいました。

*普段、よくする「かるた結び」で結ぶ分には問題なさそうです。

≪風合い≫

見た目にも触った感じも、もともとの絹独特の風合いが損なわれた、ということはないように思います。それどころか、汚れが落ちてきれいになった分、触り心地が気持の良いものになったような気がします。また、生地自体が傷んだりということもないようです。

絹は自分で洗濯できるのか?

まず、今回、洗濯してみた正絹の半幅帯について…

  • つくりは芯の入らない表地だけのもの
  • 特別な織り方・染め方のものではない
  • 刺繍等の繊細なデザインではない
  • 中古で安く手に入れた、ダメになっても惜しくないもの

それを、水とおしゃれ着用の洗剤で手洗いすると…

  • 色落ちして全体的に色味が変わった
  • 黒ずみ汚れやシミがきれいになった
  • 縮んで長さがかなり短くなった
  • 風合いは特別変わらなかった

つまり、簡単なつくりやデザインのもので色落ちや縮みが許せるのであれば、自分で洗濯してみてもよいのではないかなと思いました。普段使いのものであれば、わざわざ料金をお支払いしてクリーニングに出すのではなく、自宅でサッとお手入れしたいですから…。

今回、メルカリで購入した半幅帯は自分で洗濯をしてみて良かったです。そのままでは汚れがひどく、使い物にならないところでしたし、色落ちや縮みはしましたが、きれいになって問題なく使えそうです。

今回のお手入れでは、洗剤は一般的なおしゃれ着洗い用のものを使いましたが、絹専用のものも試してみたいですし、今度は、同じようなタイプの名古屋帯も洗濯してみたいと思っています。

おわりに…

着物で生活をする上で避けて通れない絹製品のお手入れ。値段に関わらず大切なものであれば絶対にプロにお任せしますが、普段使いのものくらい自分でお手入れできると、着物ライフはきっと、より楽しいものになりますね。

最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。どうぞ、皆さまも素敵な着物ライフをお過ごしください。。