
父から譲り受けた古い一眼レフカメラを首から下げ、着物を着て大通公園をのんびりお散歩。
私の住むまち札幌市を代表するスポット「大通公園」の様子を、毎月、その日撮影してきた写真とともにお伝えしてきました。
昨年の4月から始めたこの企画は、今月で一年が経つところでありましたが、残念なことに2月と3月は新型コロナウイルスの影響でお散歩をすることができませんでした。
一年分のスナップショットをそろえることは叶いませんでしたが、これまで撮りためた写真とともに、四季折々の大通公園の様子を振り返ってみたいと思います。
4月のお散歩
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札幌の桜の開花はまだでしたが、春らしく桜をイメージしたピンク色の紬に真っ白い塩瀬の名古屋帯を合わせた、ピンクと白の少し甘めのコーディネートにしました。こちらに「あやめ色」の長羽織を羽織って出かけましたが、ポカポカ陽気の気持ちの良い日で、日中は上着が必要ないくらい暑かったです。
新しい季節の始まり

実は、「大通公園」をちゃんと「お散歩」したのはこのときが初めてで、こんな彫像があったんだ…とか、こんなにたくさんの噴水があるんだ…など、いろいろな発見がありました。遊歩道沿いには、今にも咲き出しそうな蕾をつけた木々がたくさん。チューリップが植えられたいくつかの花壇以外は、このときはまだ整備中でしたが、花の咲き誇る時期を楽しみに感じたのを思い出します。

5月のお散歩
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紺地で茶屋辻柄の小紋に「4月のお散歩」でも締めた塩瀬の名古屋帯を合わせ、前回とは違ったキリッと落ち着いたコーディネートにしました。この日はまだ5月だというのに夏を感じさせるような気温で、袷の着物を着るには、長襦袢をえり付きの肌襦袢に替えるなどの工夫が必要でした。
花と噴水

「5月のお散歩」は、「さっぽろライラックまつり」の開催に合わせて訪れました。遊歩道沿いは、良い香りのするライラックの花でいっぱい。「4月のお散歩」のときに見た風景とはまるで違い、公園内にあるたくさんの噴水はそれぞれ通水していて勢い良く水が吹き出し、花壇には色とりどりの花が咲き乱れていました。

6月のお散歩
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初めて「木綿の着物」というものを購入して、このとき初めて外へ着て出かけました。6月ですので、帯や帯まわりの小物は夏のものを。木綿の着物は公園散歩のようなカジュアルなお出かけにはぴったりで、着心地も良く、この時期の汗ばむような暑い日でも快適に過ごせました。
花フェスタ

「花フェスタ」の開催時期に合わせて訪れた「6月のお散歩」。普段から花でいっぱいの大通公園ですが、このときは「花フェスタ」の展示のため、さらにたくさんの花であふれていました。いろいろある展示の中でも、特に「北海道農業高校生ガーデニングコンテスト」は見ごたえがありました。

7月のお散歩
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「6月のお散歩」で着た木綿の着物を、浴衣のように襦袢なしで着てみました。帯も、浴衣風ということで半幅帯を。「リボン返し」に結んでいます。木綿の着物を浴衣風に着るのは涼しくて着心地的には良かったのですが、やはり、少しラフすぎて街着という感じではないかもしれませんね…。
サンクガーデン

「7月のお散歩」では、テレビ塔を背にずっと奥まで進み、資料館の方まで来てみました。「札幌市資料館」の前に広がる「サンクガーデンゾーン」は、水路に噴水、そしてたくさんの美しいバラが咲き誇る、本当に素敵な空間でした。

8月のお散歩
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これまであまり馴染みのなかった「木綿の着物」のことをもっと知りたくて、6月、7月に続き、このときも同じ着物でコーディネートしました。8月とはいえ末でしたので、帯や小物は袷の時期のものを。帯は半幅帯で、「小春太鼓」を少しアレンジして結んでいます。
テレビ塔をいろいろな角度から

このときは、「テレビ塔」をいろいろな角度から見てみようと、展望台へ上がったり、後ろ側へまわってみたりもしました。その場所へ行かなければ気付くことのできないものをたくさん発見することができ、また、「テレビ塔」は札幌市の象徴的な存在なのだなと改めて感じた、少し特別なお散歩となりました。

9月のお散歩
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9月ですので、単衣の着物を着ました。グリーン系の花織の着物に白っぽい名古屋帯、と爽やかな組み合わせではありますが、小物は秋らしく落ち着いた色味のものを持ってきました。
オータムフェスト

このときのお散歩は、「オータムフェスト」の開催時期に合わせて訪れたのですが、公園内はもう、出店から漂うおいしそうなグルメのにおいであふれていました。ほんの少しでしたがもみじが色づき始めていたり、落ち葉やとんぼの姿を見かけたりと、秋の訪れを感じることのできたお散歩でした。

10月のお散歩
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10月に入りましたので、袷の着物を。20代の頃に二つ目の着物として誂えた「なでしこ柄」の小紋に、両面使いのカジュアルな袋帯を締めました。これに、長羽織を羽織って出かけました。
紅葉する木々

花壇の多くは片付けられていて、チューリップの球根が植えられていたりと、次のシーズンのための準備がされていました。「9月のお散歩」のときよりも紅葉が進んでいて、秋晴れの心地良い日差しを感じながら、大通公園の秋を楽しみました。

11月のお散歩
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濃藍地に「花札」のような飛び柄の小紋に、鳥の刺繡の入った白っぽい名古屋帯を締めました。この頃の札幌は雪がうっすらと積もりだし、もうすっかり冬の寒さでしたので、ウールのコートに厚手のストールでしっかりと防寒して出かけました。
冬のおとずれ

「10月のお散歩」とは変わってすっかり冬の景色になっていた大通公園は、次のイベントの準備のため、あわただしい雰囲気でした。この日、公園内を歩いていて「雪の結晶のデザインマンホール」を発見したことは、「11月のお散歩」の楽しい思い出です。

12月のお散歩
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このとき開催中だった「ホワイトイルミネーション」の「ホワイト」にちなんで、なんとなく白っぽいコーディネートに。紅藤色の紬に、「11月のお散歩」でも締めた鳥の刺繡の名古屋帯を合わせました。白っぽいコーディネートのアクセントには、梅紫色で太めの帯締めに、帯留めも大ぶりのものを使いました。
ミュンヘン・クリスマス市

公園内は「ホワイトイルミネーション」のため、あちらこちらに大規模な装飾がされ、また、同時に「ミュンヘン・クリスマス市」も開催されていて、訪れる人々で賑わっていました。いつもの大通公園が、ドイツの「クリスマスマーケット」のように様変わりしていて、クリスマスが待ち遠しく感じたのを思い出します。

1月のお散歩
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新しい年を迎え、一番最初の「大通公園のお散歩」では白い着物を着たいと思い、白大島に黒地に七宝柄の名古屋帯を合わせてモノトーンのコーディネートにしました。半えりは黒色のものを、帯まわりの小物には紫系のきれい色を持ってきました。
札幌市資料館

このときのお散歩では、東西に長く延びる大通公園の「テレビ塔」とは真反対に位置する「札幌市資料館」へ来てみました。石造りで雰囲気のある建物の中には「刑事法廷展示室」があったり、大通公園や札幌の街づくりの歴史についての資料が数多く展示されていたりと、貴重なものが見られました。

2月と3月のお散歩
予定では、2月は「さっぽろ雪まつり」の開催時期に合わせて、また、3月は雪解けの進んだ頃に訪れようと思っていたのですが、冒頭でもお話しさせていただいた通り、新型コロナウイルスのことがあり、お散歩をあきらめることにしました。いつか、また機会があれば…と、そのときを楽しみにしたいと思います。
おわりに…
札幌を代表するスポット「大通公園」。このブログを始めなければ、何度も訪れたり、詳しく知ることはなかったかもしれません。いつでもきれいに整備されている公園内の風景は春夏秋冬、それぞれの季節で楽しめます。イベントもたくさんありますが、何もないときに来てのんびり過ごすのも楽しいのではないでしょうか。これからも、四季折々の大通公園のお散歩を楽しんでいきたいと思っています。そのときも、もちろん、着物を着て。
これで、「大通公園のお散歩」はいったん終わりになります。最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。どうぞ、皆さまも素敵な着物ライフをお過ごしください。。